病気の基礎知識
ロタウイルスとは?
ロタウイルスは乳幼児期に多く起こる感染性胃腸炎の原因となるウイルスの1つです。
ロタウイルスには多くの種類(型)があり、5歳頃までに少なくとも1回以上はかかりますが、その後も何回かかかることがあります。毎年冬から春にかけてロタウイルスによる感染胃腸炎が流行します。
【症状】
突然のおう吐、発熱に続き、水溶性の下痢をおこします。発熱を伴うことが70~80%程度あり、回復に1週間程かかります。重症になると、嘔吐と下痢により体の水分が失われ、脱水症状が続いたり、けいれん、まれに急性脳炎・脳症などの合併症がおこることがあります。
【感染経路】
主に便の中に出てきたロタウイルスが手などを通じて口に入ることによる糞口感染といわれています。強い感染力を持ち、わずかなウイルスで感染し、体外の環境にも強いため、ロタウイルスに汚染された水や食べ物を口にしたり、おもちゃをしゃぶったりするだけでも感染します。そのため、日本では総患者数が毎年約80万人に及び、患者の15人に1人が入院していると推定されています。
【予防】
ロタウイルス胃腸炎になると、原因となるウイルスに対する薬剤がないため、対症療法しかありません。何度か感染することで免疫をつきますが、ワクチン接種により免疫をつけることでロタウイルス胃腸炎を予防できます。
WHO(世界保健機関)は、ロタウイルスワクチンを子どもが接種する最重要ワクチンのひとつに位置付けていますので、今後は定期接種になる可能性があります。