診療内容

アトピー性皮膚炎

様々な症状のアトピー性皮膚炎

軽症から重症まで、病変部が部分的な人から全身性の人まで、原因も単一から多抗原性の人まで、これほど人によって多彩な様相を呈する疾患もありません。
ステロイド軟こうを使うべきか使わなくて良いか、どのくらい戦って、どういう治し方をしていけば良いのか、皮膚の症状をよく見て診療していきます。

 

皮膚の状態

アトピー性皮膚炎により、肌の水分は失われ、乾燥しがちになります。それによって、外部の刺激を受けやすく、それが痒みを生じさせてしまうのです。
乾燥した肌を掻くと、傷ができ、皮膚の状態がさらに悪化するおそれがあります。また、かゆみは肌を掻くことで増し、掻いているうちに皮膚がだんだん硬く厚い状態「苔癬化(たいせんか)」を引き起こすこともあり、悪循環が続いてしまうのです。

 

皮膚のバリア機能

皮膚は、乾燥を防ぎ、外部の刺激に影響されないための「バリア機能」を持っています。そのバリア機能は「3大保湿因子」と呼ばれ、皮膚のすぐ下、角質層で活躍してくれています。
まず一つが「天然保湿因子」です。これは、アミノ酸などからできており、角質細胞の内部に水分をしっかりと補給してくれて、皮膚のうるおいを保つために必要不可欠な成分といえます。
そして、補給された水分を保つための役割を担うのが「セラミド」です。角質は何層にも細胞が重なっており、すみずみまで水分を行き渡らせ、保たせているのです。最後に、そのように水分で満ちた肌の乾燥を防ぐのが「皮脂」です。皮膚の表面が皮脂膜で覆われていることで、水分の蒸発を防ぎ、乾燥の防止に一役買ってくれています。

 

アトピー性皮膚炎に対する考え方

また、ここまで読んでいただいた方にはお話しますが、私がこれまでアトピー性皮膚炎の患者さんを診てきてたどり着いた、この病気に対する考え方、皮膚の病気だからこそ陥りやすい盲点、皮膚病=目に見えることの落とし穴についてもお話します。
これはステロイド軟こうを塗っても結局治らない方に共通する特徴があり、どうして症状が落ち着かないのか、と言うことにも関係します。