診療内容

食物アレルギー

乳児期の食物アレルギーは、乳児全体の約10%

096925乳児(赤ちゃん)・幼児時期にはじめて遭遇するアレルギー疾患として多いのが、食物アレルギーです。

食物アレルギーで代表的な症状は、蕁麻疹(じんましん)です。皮膚にかゆみのある発疹が出てきます。他にも、口唇の腫れ、嘔吐、下痢、頭痛、不快感、喘息など、症状はお子様により様々です。
インターネットなどでいろいろ調べて、自己判断するのは危険です。
大切なあなたの赤ちゃんを守るために、気になる症状がある時は、小児アレルギー専門医を受診下さい。

食物アレルギーは、医師も患者さんも、双方がまず検査をして・・・、と考えやすい疾患です。
当院では、食物抗原表を用い、負荷試験や除去試験、必要なら血液検査なども行い、原因食物を同定したら、その食物とどうやって付き合って行くかを理解していただきながら、食事を進めて行きます。

私が食物アレルギーについて執筆した記事(ひよこクラブ掲載)がありますので、ご興味をお持ちの方はぜひご覧ください。

ひよこクラブ 2010年08月号「病気ガイド _Vol 130 食物アレルギー」

当院では、木曜日の午後にアレルギー専門外来を行っております。
毎月第1、第3、第5水曜日は、栄養士による栄養相談を行っております。
ご希望の方は、事前にお電話ください(無料)。

 

042-354-1277

電話受付:9:00~18:00 ※土曜午後、日曜、祝日休診

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赤ちゃん・お子様の食物アレルギー症状・ 受診の目安は?

・ 徐々に肌がカサカサしたり、湿疹が出てきた
・ 食べたあと、すぐに発疹が出た
・ 離乳食を食べたあとで、「不機嫌になる・嘔吐する・下痢をする・お腹を痛がる・泣く・血便が出る・せきが出る・喘鳴がある(ゼーゼーする)」
・ ある種の食物を食べはじめたら、徐々に湿疹が増えた気がする

【アナフィラキシーショック】

ぐったりする・意識障害(呼びかけに応じない)のことを、アナフィラキシーショックといいます。

 

食物アレルギーの原因・小児科での栄養指導の必要性

乳児期にアレルギーを起こしやすい食物は卵・牛乳・小麦で全体の89%を占めます。ただしどんな食物でも原因になる可能性があります。完全母乳の場合はママが食べた食べ物が原因になることも。
しかし、むやみに卵や牛乳を控えたりするのは厳禁です。
自己判断せず、まずは栄養相談や指導ができる小児科・アレルギー科へご相談下さい。(当院はやっておりますが、他のクリニックには受診する前に電話して確認すると良いでしょう。)

体質的に食物アレルギーが心配な赤ちゃんの場合・・・

離乳食スタート前に、小児アレルギー専門医へご相談下さい。

・ミルクを飲んで赤ちゃんに発疹が出た
・赤ちゃんにアトピー性皮膚炎の症状がある
・赤ちゃんの両親・兄弟にアレルギー体質の人がいる

などの場合は、食物アレルギーを起こす可能性があります。
予防接種にいらした時など、離乳食スタート前にお気軽にご相談下さい。

 

食物アレルギーに対する日常生活の注意点

原因食物を除去する他に、お子様のために日常生活で気を付けることを紹介します。

●予防接種は、基本的にすべてOK
医師に伝え、予診票に記入すれば、アレルギーの重症度によりますが予防接種は基本的にどれでも接種できます。医師と相談し、体調の良いときに受けましょう。

●薬が処方される前に、医師に伝える
薬によっては、その成分に卵や牛乳由来のものが使われていることがあります。薬が処方されるときにアレルギー食物を医師に伝えるよう十分に注意しましょう。

●お子様の生活環境を整える
食物アレルギーの次に心配されるのは、アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくなど。ダニやハウスダスト、花粉をしっかり除去した環境を整えることが大切です。

 

子どもの食物アレルギー 受診から診断までの流れ

お子様に食物アレルギーの可能性があり、小児科を受診したあとの検査・診断、治療までの流れをご説明します。

1.問診

何を食べてどんな症状が出たかなど、家庭での様子について小児科医に詳しくお話下さい。
普段の食事内容が分かるように離乳食を記録しておくと、説明しやすくなります。
より精度の高い情報をお母様と共有するために、当院では場合によっては「食物アレルギー日誌」をつけてもらって参考にしていきます。

2.検査

080706お子様のアレルギー原因の疑いがある食物については、診断の目安として血液検査でIgE抗体の量を調べたり、皮膚検査でアレルギー反応の出方を調べます。

★注意★
ここで重要なのは「血液や皮膚の検査で食べてよいかどうかの結果が決まる」のではないということ。検査の結果がどうであれ(スコア0でも)実際に食べて症状が出るのであれば、その時点ではその食べ物を控えることになります。つまり「0だから食べてよいのですね」にはならないのです。

3.診断

検査結果を目安に食物除去試験食物負荷試験を行い、ご家庭でも安全にできる方法を指導し、原因となる食物を特定します。

4.治療

小児科医の指導のもと、原因となる食物の除去を行います。
他の食材を進め、その摂取状況と成長発達を見ながら、除去していた食物の開始を判断していきます。
当院では食物負荷や除去の仕方は「食物抗原表」を用いて与える量や与え方まで具体的に指示していきます。

 

お子様の食物アレルギーと向き合うためのアドバイス

将来食べられるようになるための食物除去

食事は生活していく上でずっと続くものであり、一番体質改善に影響します。食物アレルギーの子どものママは「この子の食事から何を除去しようか?」ではなく「この子は何か食べられるか?」を考えてみて下さい。そして除去食は食物から逃げるのではなく「将来食べられるようになるために今、除去している」と考えましょう。ママ自身の気持ちや辛さも違ってくると思います。

 

 赤ちゃんの気になった様子は記録しておきましょう

赤ちゃんが食べたもので気になる様子があった時は、食べものと赤ちゃんの様子をメモしておきましょう。最初は、「〇〇を食べると機嫌が悪いかな?」程度でOKです。それが積み重なると怪しい食物を絞り込める為、検査で確認ができます。

 

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